04.所有にこだわらず借地なら6割!
これまで3軒の自邸を鎌倉に建てましたが、今住んでいる小町の大屋根の家(駅4分)と、将来住むために建てた小町の老後の小さな家(駅7分)は、どちらも借地権土地の上に建っています。地主はそれぞれお寺さんで、毎月2万円台の地代をお支払いして住んでいます。地代を振り込む以外は、所有権と何ら変わらない生活ができます。 鎌倉には領地の一部を借地としている寺社が数多くあります。正確な数は調べることはできませんが、市内には何百いや何千軒もの借地が存在すると思います。そのほとんど旧法借地権で、新法の普通借地権のように返還期限はなく、更新料を20年毎に支払えば、永住することに問題はありませんし、名義変更料を支払えば相続も売買もできます。 気になる価格ですが、旧法借地の場合は、市場価格の6割が相場となっています。5000万円の土地なら3000万円の借地権利金という計算になります。場所にもよりますが、50坪前後の土地なら地代は2万円〜3万円というところが目安です。所有していないので固定資産税はかからず不動産取得税もありません。所有権を買うために、ローンを多く借りた場合の金利も考えれば、地代の負担増もかなり帳消しになります。 借地はお寺や地主に土地代金の4割を永遠に借りられるスタイルと考えてみてください。我家の場合、現在(2008年)市場価格から推定して4400万円を地主に借りていることになります。つまり底地の市場価格です。将来の土地価格の変動なしと考えた場合の40年間コストから試算すると、地代と更新料による負担額は、借り入れ金利に換算して年利1.3%ほどになります。固定資産税が無いのを計算に入れると、この負担は限りなく軽微だと考えることができます。 借地権であれば、ワンランク上の土地が選べるなどメリットは多いです。そもそも人間は死んであの世に土地を持って行ける訳ではないし、宇宙から見れば小さな点にも満たない土地の所有権にこだわるというのもいかがか?と、以前より考えていました。 一方で借地権には、紛争などの悪いイメージがつきものです。でも、こうした争いが起こるにはそれなりの歴史があるのです。そもそも最初に地主が土地を貸したとき(明治時代とか戦前から)は、土地も余っていたし、不動産の価値の低かったので、駐車場のように月々の地代だけで貸したそうです。これが太平洋戦争時、戦争で夫を失った未亡人が住む場所を失わないようになどの配慮から、今のように借り手の権利の保護され、その後、高度経済成長で土地の価値が高くなり、地代も更新料も上がったため「地主が強欲だ!」という思いが借地人に生まれたためです。地主からすれば、権利金も無しで貸した土地の権利6割を、努力せずに借地人が得たことになります。戦前からの借地人で後に高く転売した人などは0円の投資で大金を手にしたことになります。一方でその場合の地主の収入はゼロ。だから、名義変更料でせめて売買価格の1割を得るという慣習になったのです。 我々は、いわば借地二次取得世代なのです。借地権利を現在の借地人から買って家を建てるわけです。現在の借地権の慣習を理解して購入している分トラブルは少ないのではないでしょうか? また、お寺や神社以外で個人の地主も多くいます。個人の場合は、寺社よりも経営感覚で借地運営をしていますので、地代や更新料などのプレッシャーが大きいかも知れませんが、可能性として1つだけ大きなオマケがあります。それは、相続対策などで底地をリーズナブルに買える場合があるからです。お寺などの場合は、底地を売ってもらうという事はあまり期待できません。 もう1つ借地購入の裏技を覚えておいてください。我家の地代は3万円弱。これはマンションの管理費とか駐車場代程度の感覚の金額ですよね。だから借地購入も踏み切れます。地代は土地の広さに比例しますので、広い借地で地代が10万円とかになると、なかなか買い手がいないのが現状です。お屋敷一等地という雰囲気の場所なら政財界の一流の方が買われると思いますが、少し庶民的な立地となると、もう買い手は希少となります。そうなると売値の安くせざるをえないのでお買い得なはずです。でも地代10万円は払えない!こうした土地(借地)を鎌倉建て主塾の塾生さんと分割購入したのが、小町の老後の小さな家です。その後近隣の借地が売りに出ましたが、それよりも30%近く安く買う事ができました。 以上見方によっては、良い事だらけの借地権ですが、大きな課題があります。それは、銀行の評価が低いので、自己資金が多い人でないと買えないということです。仕事や年収の属性が普通の人は、借地権はキャッシュで買うくらいでないとローンが通りません。属性評価の高い人は、建築費と合わせて3割以上の自己資金があれば、購入できるかも知れません。いずにせよ!安いからギリギリの予算の人が借地を買うのではなく、資金の余裕のある人向きです。 |
移住希望塾生 約1500名以上!! 狭小、斜面、変形、借地、接道条件悪などの土地購入を地域の建築家らと工夫しながら建築企画。移住者のサポートで鎌倉らしい小さな街並みプロデュースを推進する。 古家を再生し活用を推進! 戦災を免れ大正、昭和の古民家が多く残るのが鎌倉の街並みの魅力です。昭和初期の家も間もなく築100年ヴィンテージ。現在数棟の管理物件があります。 鎌倉に家を建てる! 鎌倉移住のコンサルタントとして、鎌倉建て主塾の活動や家づくりのこと、鎌倉での暮らしなど塾長のライフスタイルを日記にしています。 |
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01.不動産に掘り出しものは? 塾生だけで千人。実際はその何十倍も、そして最強のライバルは… 02.距離感覚が変われば半額へ近道! 徒歩圏の壁って知ってますか?それを乗り越えると一気に… 03.徒歩に替わる代替手段を活かす! それでも歩きたく無いという人のために… 04.所有にこだわらず借地なら6割! 鎌倉の寺社の借地は、評価額が低く相続容易のため閑静な環境で… 05.痩せ我慢であと1割下げる 本当に車必要?階段は苦になりませんか?崖や斜面は好きですか? 06.適正な価格交渉をしてみる! 自分にとって適正な価格と売主の立場を良く知る事が… 07.小さな家から始めよう! 最小限住宅から始め、ライフスタイルで変化させる… 08.スケルトン+デザインのすすめ 予算は少なくても、スケルトン+デザインで自分らしい家づくりを… ●移住リンク |鎌倉市役所|逗子市役所|葉山町役場|藤沢市役所|茅ヶ崎市役所| ●生活リンク |鎌倉子育てガイド|鎌倉病院情報|鎌倉介護ガイド|住みたい鎌倉| |
年齢でも違う住まい取得 ●20代の場合 時間効果が使えます。低金利ならローンを沢山組んでも良い世代。また、老後まで40年近くあるので、収益アパート2棟くらい取得目標に賃貸暮らしを続けるという発想の転換も…。 ●30代の場合 子育て世代。どうしても賃貸から戸建が欲しくなる時期。この層向けに買える物件を不動産業界が供給していますが、質的にチープなものが大多数。自己資金を増やし選択肢の多い不動産探しができれば…。 ●40代の場合 自己資金に差が出る世代。子供達はすぐ巣立つので広い家を建てるのは無駄かも。あと数年なら賃貸でじっくりと子育て後の家を考えることも…。 ●50代の場合 お勤めの場合、ローンを組むラストチャンスかも知れません。老後の家の視点で家づくりを考えるべきで、老後の生活資金計画を考えて不動産を取得すべきか判断する必要も…。 ●60代の場合 資産に余裕がある方は好きなだけ物件を所有すれば良いですが、年金と預貯金で標準的な暮らしを賄う派は、賃貸で移住し、不動産は収益物件を所有するのも一考。年金プラス家賃で賃貸も生活もグレードアップ。 |